知って欲しいハチミツのこと

皆さんがいつも食べているハチミツですが、生のハチミツは発酵するって知ってますか?

蜂の巣から採ったばかりのハチミツには酵母菌やその他自然界のさまざまな微生物が含まれています。

通常、そのような微生物がハチミツに含まれているハチミツは発酵してしまいます。

つまり、採取したばかりの生ハチミツは発酵食品なのです。

瓶の中ではハチミツに含まれる糖質が微生物によって分解され、アルコール成分に分解されます。

生はちみつの中では常に微生物が活動し、特に微生物が活動しやすい温度帯では発酵が多いに進み、密閉された瓶の中が高圧になってしまうことがあります。

つまり、それはハチミツが生きているという証拠なのです。

しかし、一般的には生ハチミツは市場では流通しません。

なぜなら、そのような不安定な商品を大きな市場で取り扱うことは生産者や流通業者にとっては大きなリスクになるからです。

例えば、搬送中にハチミツが発酵して瓶の中からハチミツが漏れ出したり、客先で瓶の中の圧が高圧になりお客さんが瓶を開封した際に爆発したなんてことがあると、大変問題になります。

だから、市場で流通しているハチミツは一度加熱して、ハチミツの中の微生物を殺し、発酵を止めるのです。

勿論、その他の雑菌などを死滅させることによって、食中毒など発生を抑える効果もあります。

しかし、加熱処理することによって、本来、はちみつに含まれるミネラルや殺菌効果の期待できる酵素成分なども分解されてしまうのです。

生はちみつと加熱処理されたハチミツがどちらが良いというわけでなく、それぞれの特徴を知った上でハチミツを選んで欲しいと思っています。

例えば、自分は生ハチミツの特徴を理解しているし、生はちみつに含まれる栄養素や酵素の働きを期待しているので、自分用に生はちみつを選ぶという選択肢は良いと思います。

一方、ハチミツについて理解していない方に生はちみつをプレゼントするというのはちょっと危険な感じがしますので、そのような方には状態が安定している(発酵しない)加熱済みハチミツを選択した方が良いと思います。

以上のような事から、状況に合わせて生はちみつか、加熱済みハチミツかを選択する事をお薦めします。

※写真の左は結晶化した生はちみつ、右は加熱処理したハチミツ